印圧と膜厚のビミョーな関係

一般的には、印圧(スキージにかける圧力)を大きくすると、膜厚(印刷されたインクの厚み)は薄くなると言われています。
これは、スキージの圧力が、版から押し出されるインクを掻き取るためと思われます。
弊社で実験してみても、確かにそのような結果が得られました。
印圧による膜厚変化(硬度80°)
印圧による膜厚変化(硬度80°)
しかし、どんな時でもこのようになるとは限りません。
例えばスキージの硬度を80°から60°にしてみると次のようになりました。
印圧による膜厚変化(硬度60°)
先ほどのグラフと違い、膜厚がリニアに薄くなりません。それどころか、0.25mpaあたりから逆に厚くなっています。
これは、スキージが印圧に負けてたわみが大きくなり、印圧が逃げてしまうことと、スキージのたわみにより実際の版とのアタック角が寝てしまい、インクを多く押し出してしまうことによります。
スキージのたわみ
スキージのたわみは、硬度が高くなるほどたわみ
にくくなり、硬度が低くなるほどたわみやすくなります。
しかし闇雲に硬度を高くすると、インクが押し出しにくくなる
などの弊害もありますので注意が必要です。

またスキージ硬度はメーカや材質によってばらつきがあり、一般的には±5°くらいは誤差があると言われています。
印圧にしても、他にいろいろなアクチュエータを動かしていると、供給圧に少なからず変動があります。
そのような不確定な条件で、安定した膜厚を得るためにはどうしたらいいでしょうか?
それでは先ほどのグラフを重ね合わせてみましょう。
スキージ硬度と印圧による膜厚変化
このグラフから、(今回の実験で使用したインクと紗などの組み合わせでは)能力的に膜厚7.5μmが基準と考えられ、印圧0.15~0.25mpaくらいでもっとも安定した実力を発揮することがわかります。


本印刷結果は弊社にて実験的に行ったものであり、インク・版・スキージ速度・押し込み・クリアランスなどにより、これとは異なる結果となる場合があります。
また、膜厚の面内バラツキを測定してみると、面白いデータがとれますよ