~時代の要求に応えて発展してきたスクリーン印刷~
近年、技術革新のスピードの速さには驚いてしまいます。ほんの数年前まで身近にたくさん使われていた技術が、もう最近は使われなくなっています。
歴史上有名なエジソンが発明したレコード。20年位前までは多くのアイドルのヒットソングを生んでいました。今はどうでしょうか。CDになってしまい「レコード」と言う単語は、年末の歌謡番組の名前に残っている程度です。
同じく「電球」。最近は電気の消費量が多いと言われ、LEDへどんどん変わっています。
少し年配の方は電話をかける時に「ダイヤルを回す」と言いませんか。昔の電話にはダイヤルスイッチが付いていました。それが押しボタンになり、最近はスマートフォンになって、スイッチが無くなってしまいました。
テレビと言えば「ブラウン管」の時代が長く続きました。テレビが発明されたのはブラウン管のおかげです。筆者は昔、ブラウン管はテレビと共に永遠に続くと思っていました。ところが、テレビのデジタル化で電気店からはブラウン管テレビは消えてしまいました。お宅のテレビはまだブラウン管?と、過去の産物のように言われるようになりました。
さて、スクリーン印刷に話を戻しましょう。実はスクリーン印刷の技術は、前出の技術よりもっと古いのです。スクリーン印刷のルーツは平安時代までさかのぼります。三重県白子山の子安観音寺の僧侶が、植物の葉や花を白布に挟んで槌を打ち、その汁でいろいろな柄を巧みに染めていたそうです。これが大変美しく評判になり、手作りでは需要に応じきれなくなりました。そこで、和紙に図柄を書き、小刀で切り抜いて染める方法を考案しました。これがスクリーン印刷の原点と言われています。
この技術をヒントに、1905年イギリス人サムエル・シモンが、型を絹網に貼り付けて使う方法を考案し、現在のスクリーン印刷の原型が出来ました。この技術はアメリカに伝わり発展して、再び日本に入ってきました。平安時代から数えると、千年という歴史を持っていると言えるのではないでしょうか。
この技術をヒントに、1905年イギリス人サムエル・シモンが、型を絹網に貼り付けて使う方法を考案し、現在のスクリーン印刷の原型が出来ました。この技術はアメリカに伝わり発展して、再び日本に入ってきました。平安時代から数えると、千年という歴史を持っていると言えるのではないでしょうか。
しかし、スクリーン印刷は現在の最新技術にしっかり対応しています。レコードは無くなりましたが、CDの生産にスクリーン印刷は応用されています。電話からスイッチは無くなりましたが、スマートフォンに使用されるタッチパネルの生産にはスクリーン印刷が応用されています。ブラウン管は無くなりましたが、テレビを構成している電子部品の生産にはスクリーン印刷がたくさん応用されています。
スクリーン印刷は歴史の長い技術です。それなのに、いまだに最新技術の中核にいられるのは、スクリーン印刷が多様性に優れた技術だからです。スクリーン印刷はこれからも出て来るであろう未知の技術にも、しっかり対応して、永遠に発展していくでしょう。