スクリーン印刷コラム(45)

~続 インクとインキ~

以前このコラムで「インクかインキ、それともペースト」を書きました。
それ以来、そのことが気になっています。
その後、ネットなど検索していると、同じような疑問を持っている人が他にいることがわかりました。

さて、先日、久しぶりに夏目漱石の小説など読んでみました。学生時代に読んだので数十年ぶりでしょうか。なぜ読んだかと言いますと最近購入したタブレット端末で本がダウンロードできるアプリがあり、試しに取ったのが夏目漱石でした。
読んでいくと「印気」という単語、これはインキと読むと読み仮名が振ってありました。
またまた、インクとインキが気になり色々と調べて、続編を作成しました。

ドイツ語学者が昔、「インキ」が正しいと言っていました。
ドイツ語学者関口存男は著書の中で、「たとえば英語のinkを、近頃の人は、正しいつもりでインクと言いますが、私たちの頃にはインキと言ったものです。kは[ク]だ、[キ]なんて変だ、などというなかれ、それは笑うほうがおかしい。インと言ったら、言った口は[イ]の恰好をしている。その恰好のままでkと喉の奥を弾いてごらんなさい、どうしたって[キ]みたいな音が出るじゃありませんか。それを、inと言った後に、わざわざ口恰好をuのように変えて、それから[ク]だなんて言うのは、だいいち英語の発音を知らない大馬鹿野郎のすることです。だから、[インク]は誤り、[インキ]が正しいのです。」(関口存男著『標準初等ドイツ語講座』より)。
と言っています。この本が書かれたのが60年も前ですから、夏目漱石の時代はインキだったのでしょうか。

英語では「インク」が近い
英語発音では[ɪŋk]なので「インク」と表記する方が近いです。したがって、英語由来では「インク」が正しいと言えます。

テレビのアナウンサーは?
テレビのニュースで、印刷会社に関する報道がありました。「インク」と言うか「インキ」と言うか、注目していると「○×印刷で使用しているインク・・・」、しかも画面のテロップに「インク」文字・・・。
現代では「インク」と言うことが主流ということのようです。

ところで・・・
「△△△インキ製造株式会社で製造している製品」は、「インク」と「インキ」どちらでしょうか。

続々編をご期待ください。
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