本文へ移動

スクリーン印刷コラム(77)

~スクレッパの濡れ性を改良すると清掃がラクラク~

印刷後の後片付けは面倒です。特にスキージやスクレッパ―に付着したインキをふき取るには時間がかかります。また、綺麗に掃除しようとすると多くのウエスを使用してしまい経費もかかります。簡単に掃除できる方法はないかといつも考えます。
フライパンや鍋に良く使用されているフッ素コートは、料理中の食材の付着がなく、調理後の掃除が楽です。同じ様な事を印刷機に応用できないか調べてみました。
最近、金属表面の処理方法としてDLC処理が注目されています。DLC処理を行うと金属表面の濡れ性を変えることが出来ます。さらにDLCにフッ素を配合することによって、さらに濡れ性のコントロールが出来る様になっています。
そこで、スクレッパ(ステンレス製)に一般のDLC処理とフッ素配合のDLC処理を行って、効果を調べてみました。
下記の写真は、インキに良く使用される溶剤、イソホロンとγブチルラクトンを、それぞれの処理面に滴下した時の写真です。
(写真の上側がDLC処理、下側がフッ素配合のDLC処理)
イソホロン
イソホロン
γブチルラクトン
γブチルラクトン
フッ素配合のDLC処理を行うと溶剤を良くはじく事がわかります。
次に、これらの溶剤が含まれているインキをスクリーン版にコートして、スクレッパを上昇させた時の写真を示しました。
(写真の上側がDLC処理、下側がフッ素配合のDLC処理)
イソホロンを使用したインキ
イソホロンを使用したインキ
γブチルラクトンを使用したインキ
γブチルラクトンを使用したインキ
フッ素配合のDLC処理を行った方が、スクレッパに取り付くインキの量が少なくなりました。また、写真にはありませんが、この後インキの拭き取り易さも違いました。
フッ素配合のDLC処理を行うと、ウエス1枚で、ひと拭きで、スクレッパがあっという間に綺麗になりました。


ニューロング精密工業株式会社
〒141-0022
東京都品川区東五反田3丁目21番5号
TEL.03-3473-1155
FAX.03-3473-5055
TOPへ戻る