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スクリーン印刷コラム(4)

~スクリーン印刷の細線印刷~

スクリーン印刷はどこまで細い印刷が可能ですか?という質問を受けることがあります。良くある答えとして、スクリーンマスクに使用している糸径以下の細いパターンは印刷できませんと言うことがあります。確かに、スクリーンマスクの糸の部分はペーストが通ることができません。一見、正しい答えの様な気がします。しかし実際は違います。写真①、②を見てください。

写真①は640メッシュの版に線幅15μmのパターンを焼き付けた物の顕微鏡写真です。糸がクロスしている所を見ると、完全にパターンを塞いでいます。どう見てもペーストが通過する事ができません。したがって「糸径より細いパターンは印刷できません」という答えも納得できるような気がします。 
しかし、写真②を見てください。パターンが真っ直ぐに印刷されています。これは写真①の版を使用して特殊なフィルムに印刷した時の写真です。いかがですか、糸がクロスしている所もしっかり印刷されています。

どうしてこの様なことが起こるのでしょうか?これは版に塗ってある乳剤が関係しているのです。版にはメッシュ上に乳剤と呼ばれる樹脂が塗ってあります。これが被印刷物とメッシュの間に隙間を作っています。この隙間をペーストが流れることによって糸がクロスしている部分でもパターンが印刷できるのです。
ということで、スクリーン印刷でどこまで細い印刷が可能かという問いの答えは、「製版さえできれば糸径に影響されることなく細線が印刷できる」ということになります。

理論を考えるより、まずスクリーン印刷で試してみましょう。
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