~インクとインキ、それともペースト?~
印刷する時に使用する「液体」、あなたはどう言いますか?インクですか、インキですか、それともペーストですか?ペーストというと、何となく粘度の高い物、例えば接着剤のような物を思い浮かべます。辞書で調べてみると確かに「流動性のある粘度の高い物質」と書いてあります。
では、インクとインキは何が違うのでしょうか?英語で表記するとどちらも「INK」です。しかしこれを調べると大変悩ましいことになるのです。
まず、会社の名前です。この印刷する「液体」を製造しているメーカー名を調べてみると、○○インキ製造株式会社、○○インキ株式会社は多くありますが、○○インク製造株式会社という名前はないのです。しかもこれらの会社の英語表記名は「INK」になっています。しかし、パソコンのプリンターとして普及しているインクジェットプリンターは「インク」です。インクジェットプリンターを英語で表記すると「inkjet printer」で「INK」です。
では、インクジェットプリンター用のインクを製造しているメーカーは「インク」メーカーでしょうか、それとも「インキ」メーカー?もし、インキメーカーが作っているとすると「○○インキ株式会社製造したインクジェット用のインク」ということになります。なんだか変ですね。そこで筆者は考えました。「そうだ、昔からある万年筆はどっちだろう?」
インターネットで調べると「S万年筆」のホームページに「インク」とありました。そうか、「インク」が正しいのか。「P万年筆」も「インク」でした。ところが「PI万年筆」は「インキ」!!!
そこで更に調べました。印刷関係の業界団体の名称が正しいのだろうと。結果は、「印刷インキ○○会」。
そうか、「インキ」が正しいのか。
更に調べてみました。発表されている論文ではどうでしょうか?題名をパラパラ見ていると「~インクジェット用~インキに関する~」、「○○インキ工業のインキジェットインキの~」などバラバラです。そこで直接、作っている人に聞きました。「あなたはインキと言いますか?インクと言いますか?」
すると返ってきた答えは・・・「僕はイン×キです。」(×の単語はご想像におまかせします)
いろいろ迷った末の筆者の答えは「インク」でも「インキ」でもなく「INK」です。さて、読者の皆さんは「INK」をどう言いますか?