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スクリーン印刷コラム(33)

~続 スクリーン印刷と糸~

スクリーン印刷にはスクリーン版が必要です。スクリーンの仕様でインクの出る量、パターンの精細性などが決まります。
一般的には、布状のスクリーン(紗とも呼ぶ)を枠に張った物です。このスクリーンはいろんな種類の糸を編んで作られています。そして、これに使われる糸の種類によってスクリーン印刷の性能が変わります。

スクリーンに使用される糸の断面は円形になっています。これが1つのポイントです。
スクリーンを作る方法は糸を編む方法と、板に小さな穴を開ける方法があります。板に穴を開けたタイプのスクリーンの断面は長方形になります。
この2つのスクリーンが被印刷物に接触した時の模式図を示しましたので見てください。
糸を使ったスクリーンの方が被印刷物との接触面積が少ないことがわかります。糸を使わないスクリーンでは被印刷物と面接触している為に、この部分にインクが転写し難くなります。
しかし、糸を使ったスクリーンでは被印刷物との接触は線接触になるのでインクは糸を回り込んで被印刷に転写されます。

また、糸を使ったスクリーンは糸の種類は同じでも、糸の編み方でスクリーンの厚みを変えることもできます。一般的に平織りではスクリーンの厚みは糸径の2倍ですが、織り方を変えることで糸径の3倍の厚みにして、多くのインクを印刷することも可能です。

では、スクリーン印刷に使われる糸はどんな物でしょうか。例えば、人間の髪の毛の太さは平均的な日本人で約80μm、細い人で60μmです。スクリーン印刷に使用する糸は細い物で13μm、最もよく使用されるもので23μmです。髪の毛の1/3以下の太さです。この細い糸がインクの厚みをコントロールしたり、パターンの解像性をコントロールしています。
スクリーン版の表面を拡大鏡で見てください。細い糸は整然と並んでいます。
スクリーン印刷は糸に支えられていると言っても過言ではないでしょう。
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