~伸びにも方向が《真っ直ぐでないフィルム》~
日常生活において、私たちは色んなフィルムを使用しています。
例えば、食品を電子レンジで加熱する時にはポリエチレンラップ、 紙を固定するためにセロハンテープ、
電気コードの被服にビニールテープ、ペットボトルのラベル・・・・・。
例えば、食品を電子レンジで加熱する時にはポリエチレンラップ、 紙を固定するためにセロハンテープ、
電気コードの被服にビニールテープ、ペットボトルのラベル・・・・・。
さて、これらのフィルムを加熱するとどうなると思いますか?
なぜ、こんな事を聞くかというとスクリーン印刷では印刷後にインキの乾燥という工程があり、
加熱乾燥する場合が多く、フィルムに印刷をする際に「熱でフィルムがどうなるか」をよく考えないと
大きな失敗をする事があるからです。
なぜ、こんな事を聞くかというとスクリーン印刷では印刷後にインキの乾燥という工程があり、
加熱乾燥する場合が多く、フィルムに印刷をする際に「熱でフィルムがどうなるか」をよく考えないと
大きな失敗をする事があるからです。
ここで、金属の場合を考えてみます。例えば、鉄道のレール。
レールは鉄で出来ているので熱によって膨張します。
鉄道のレールは長い距離繋がっているので、夏の暑いときにはかなり伸びて長くなります。
そのために所々にこの伸びを吸収する仕組みがあります。
レールは鉄で出来ているので熱によって膨張します。
鉄道のレールは長い距離繋がっているので、夏の暑いときにはかなり伸びて長くなります。
そのために所々にこの伸びを吸収する仕組みがあります。
スクリーン印刷でもロール状のPETフィルムに連続的に印刷する場合があります。
インキの乾燥には120℃位の熱を加えます。この時、PETフィルムはどうなるのでしょうか。
レールのように伸びているのでしょうか?PETフィルムの場合、少し状況は複雑です。
インキの乾燥には120℃位の熱を加えます。この時、PETフィルムはどうなるのでしょうか。
レールのように伸びているのでしょうか?PETフィルムの場合、少し状況は複雑です。
筆者は昔、こんな経験があります。
あるとき、PETフィルムを貼り合せた材料に印刷していた時の事です。
この材料は難燃剤をPETフィルムで挟んだ構造となっていて、
一般のPETフィルムより燃えにくいという特性もった材料でした。
まず試作は順調でした。ところが量産が始まり、材料の製造LOTが変わったら…
この材料は難燃剤をPETフィルムで挟んだ構造となっていて、
一般のPETフィルムより燃えにくいという特性もった材料でした。
まず試作は順調でした。ところが量産が始まり、材料の製造LOTが変わったら…
製品を作る事が出来ません…
印刷して乾燥すると何故かフィルムがカールします!!
印刷条件等は変わってないのに??
印刷して乾燥すると何故かフィルムがカールします!!
印刷条件等は変わってないのに??
インキの乾燥条件を色々変えてもカールが治りません。
PETフィルムは加熱すると熱収縮する事は判っていましたが、
なぜカールするのか判りませんでした。
色々と調べて見ると、PETフィルムは製造方法が原因で加熱した時の膨張に
方向性がある事が判りました。
PETフィルムは加熱すると熱収縮する事は判っていましたが、
なぜカールするのか判りませんでした。
色々と調べて見ると、PETフィルムは製造方法が原因で加熱した時の膨張に
方向性がある事が判りました。
PETフィルムは二軸延伸法という方法で作られています。
つまり縦と横に引っ張りながらフィルムを作ります。
そのために熱膨張する方向がフィルムの場所によって違っています。
つまり縦と横に引っ張りながらフィルムを作ります。
そのために熱膨張する方向がフィルムの場所によって違っています。
膨張する方向の違うフィルムを貼り合せると、加熱した時にカールが発生します。
膨張の方向が同じ物を貼り合せる事でカールは防ぐ事は出来ますが、
材料はかなり高コストになってしまいました。
膨張の方向が同じ物を貼り合せる事でカールは防ぐ事は出来ますが、
材料はかなり高コストになってしまいました。
この様な現象は異なる材質のフィルムを貼り合せた時にも発生します。
例えば、PETフィルムと金属フィルム等もその熱膨張率の差からカールが発生します。
例えば、PETフィルムと金属フィルム等もその熱膨張率の差からカールが発生します。
貼り合せ材料に印刷する時には材料の特性をよく確認する必要があります。