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スクリーン印刷コラム(64)

~段取りを撲滅せよ~

スクリーン印刷で多品種少量品の印刷を行う場合、最大の障害となるのが段取りです。
ある多品種少量印刷の工場で、一日の作業のうちで印刷機が印刷している時間が、実質全体の約30%位だった、という例がありました。
 
例えば、六色印刷で生産LOTが50枚とします。スクリーン版数は色数分必要なために6版になります。
一色あたり段取りに10分かかるとすると、六色では合計60分です。50枚の印刷を20分で行うとすると六色で120分になります。合計180分になりますが、その30%が段取り時間です。
しかし、この例は順調に進んだ場合です。これにスクリーン版を探したり、調色を行ったりすると、さらに段取りが長くなってしまいます。また、インク乾燥で乾燥炉が停滞すると、そのうえ待ち時間が発生します。
これらがいくつも重なっていくと、稼働率30%も……
 
段取り時間を削減するには、まずスクリーン版サイズとワークサイズを統一します。
印刷面積が小さいと、小さい版を使用したいところですが、これは印刷機の条件を都度調整する事になり段取り時間が長くなります。
多少もったいない感じがあっても段取りにかかる工数削減を優先したほうが良いでしょう。
 
次に、ワークサイズを数種類に統一します。
例えば平版フィルムに印刷する場合、500㎜□、330㎜□、250㎜□の3種類くらいで良いと思います。これは、フィルムの原反サイズが1000㎜の物が多いので、これを1/2、1/3、1/4にしたサイズです。この中間のワークサイズだと、ワークカット時の端材も価格に乗ってくるのでコストメリットはありません。
ワークサイズはそのワーク原反サイズを調べてから決めると良いでしょう。
 
スクリーン版へのパターン焼付位置は出来るだけ同じ位置にします。製版メーカーと事前に焼付位置の打合せをしておくと良いと思います。焼き付け位置が同じだと、段取り替え時に印刷機の調整を最小限にする事が出来ます。
印刷機の調整が少なくなると、そのぶん段取り時間が短くなります。
 
スクリーン印刷機は繰り返し精度の高い印刷機を使用しましょう。スクリーン印刷機は外観を見ただけでは繰り返し精度は判りませんので、実際に印刷テストをして確認します。繰り返し精度が低いと印刷機の稼働中に条件が変わってしまうため、途中で再調整が必要になります。
繰り返し精度の高い印刷機を使用すると再調整などが発生しないので稼働率が高くなります。
スクリーン印刷は多品種、小ロット品が多いので、どこに無駄な作業があるのか、現状を良く分析してみると良いでしょう。
ニューロング精密工業株式会社
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