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スクリーン印刷コラム(71)

~スクリーン印刷と藍染について~

栃木県の益子町は益子焼で有名ですが、この町の入口に藍染の工房があります。
昨年、陶器市を見に行った帰りに工房の看板が目に入り、藍染を見学することにしました。
藍染・・・という文字を見て、スクリーン印刷の歴史が藍染から始まったということを、ふと思い出したからです。
 
当社のホームページでもスクリーン印刷の歴史を次の様に紹介しています。
「スクリーン印刷は、日本の友禅の型染めからヒントを得て、アメリカで改良されたものと言われ、大正時代にアメリカに出かけていた石和喜政という人が、日本の捺染界での偉大な発明であるスクリーン印刷に興味を持ち、これを持ち帰りシルクスクリーンプロセス印刷という名称で広めました」
 
工房を見学していると、その奥から工房のご主人が出てきて「奥に型紙があるから見て!」と言われ、工房奥の事務所の様なところに案内されました。
型紙を見て驚きました。まるでメッシュそのままです。描かれているパターンはまるでチップ抵抗の電極の様に見えました。
ご主人の話では一つ一つが人間の手作りだそうです。まるで、スクリーンメッシュを手作りした様でした。この型紙は和紙と柿渋で出来ていて大変強度の高い物だそうです。
提示していた型紙には製作日が書かれてありました。その日付はなんと明治!100年以上も前の物!
しかも現在も充分使用できるとのお話を聞いて、さらに驚きました。
 
現在当社で使用しているスクリーン版は100年後も使えるのだろうか?
藍染工房
藍染ではこの型紙を繰り返し使用して連続した絵柄を形成するとのことです。型紙を良く見るとパターンを合わせるためのマークが付いています。現在のアライメントマークです。
 
この型紙を使用して染め上げた布を見ると型紙の継ぎ目は全くわかりません(繋ぎ目がわかるようでは商品にならないとのこと)。当社の高性能オートアライメントスクリーン印刷機並みの合せ精度。これが今から100年以上も前から手作業で行われていたことに驚きました。
 
一通り見学が終わり、お土産を買って工房を後にしようとした時に工房のご主人が一言。
「最近は印刷機で簡単にできる様になって・・・・・」
 
「いやいや、まだまだ印刷機より人間の方が上ですよ」と、心の中でつぶやいて工房を後にしました。
 
 
 
ニューロング精密工業株式会社
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