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スクリーン印刷コラム(25)

~乾かすこと、固めること~

スクリーン印刷を行うには必ずインクが必要です。そしてインクを使用するには必ずインクの乾燥という工程が伴ってきます。今回はこのインクの乾燥について、身近な現象から考えてみましょう。
 
さて、水の沸点は何度でしょうか?。もちろん100℃ということは皆さん良くわかっていることと思います。鍋に水を入れてコンロで加熱すると、水の温度はやがて100℃になり沸騰して、水はどんどん蒸発して少なくなっていきます。では、水は100℃でないと蒸発しないのでしょうか。ここで、毎日の洗濯を思い出してください。洗濯物を100℃で乾しますか? そんなことはしないでしょう。もし100℃で衣料品を乾かしたら傷んでしまう可能性があります。外に洗濯物を乾しても、しっかり乾きます。でも、雨の降っているじめじめしている日は、なかなか洗濯物が乾かないですね。また、乾燥した日の洗濯物はすぐに乾きます。
 
話は変わって、文房具として良く使用する瞬間接着剤。大変便利で、すぐに固まります。すぐ固まる接着剤なのに、なぜお店で売っている時は固まらないのでしょうか。不思議ですね。実は、この接着剤は空気中に含まれる水分と反応して固まるのです。だから、水を通さない入れ物に入れておくと固まらないのです。
 
スクリーン印刷に使用するインクにも、この例と同じことが言えます。スクリーン印刷に使用するインクといっても、いろんな乾燥、硬化方法の物があります。したがって、インクの内容を良く理解して乾燥条件を決める必要があります。インクの特性と乾燥についてつぎに説明します。
 
・蒸発乾燥型のインク
インクに含まれる溶剤を蒸発させれば良いので、あまり温度は関係ありません。洗濯物のように乾けば良いのです。たとえば遠赤外線を利用すると効率良く乾きます。遠赤外線は電磁波の一種なので、高分子材に吸収され高分子材を内部から熱します。冬に赤外線ストーブにあたると周りの空気は冷たくても、体は熱くなりますね。これと同じ原理です。熱に弱い材料の場合、遠赤外線で加熱しながら風で冷却すると、材料にダメージを与えることなくインクを乾燥させることができます。
 
・硬化型のインク
インクを硬化させるには、インクの中に入っている硬化剤が化学反応するために、様々な条件が必要です。例えば、瞬間接着剤のように水と反応する成分を含んでいるインクの場合、長く加熱しても水が存在しなければ硬化はしません。ある温度以上でないと硬化しないインクの場合、低温で加熱してもインクに含まれる溶剤だけが蒸発して硬化はしないので充分な特性は得られません。また、例えば硬化反応が終了するまで10分かかるインクであれば最低この時間は必要となります。
 
・乾燥炉はインクに合わせて
良く乾燥炉メーカーのカタログには「高速乾燥できます」と書かれています。インクによっては確かに乾燥が早くなるので間違ってはいません。しかし、あなたが使用しているインクは「蒸発乾燥型」ですか?「硬化型」ですか?これによって乾燥炉の構造が違ってきます。インクの乾燥、硬化のメカニズムを良く理解して乾燥炉を選択することが重要です。
ニューロング精密工業株式会社
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