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スクリーン印刷コラム(72)

~印刷機のトルクとスクリーン版のひずみについて~

コラム51で簡単に触れていますが、当社の印刷機はスキージヘッドの駆動にサーボモータを採用しています。これを使用するとスキージヘッドに多少の負荷が加わってもスキージヘッドの移動速度はほとんど変化しません。逆に言うとスキージヘッドに負荷が加わるとサーボモータのドライバがモーターのトルクを変化させます。

このトルクの変化は特別なソフトウエアを使用することでドライバからリアルタイムに取り出すことが可能です。また、印刷機の構造から逆に負荷を加えた時のトルクも計算で求めることができます。そこで、印刷機より取り出したトルク値と印刷機の構造から求めた計算値はどの程度差があるか実験してみました。下のグラフ1がその結果です。スキージヘッドに加わる負荷はスキージとスクリーン版との引き摺り抵抗になるのでグラフの縦軸を「引き摺り抵抗」としてあります。引き摺り抵抗は直接計測出来ないのでその代りとしてスキージヘッドにテンションゲージを取り付けて測定しています。
 
グラフ1
グラフ1
試験の結果、計算値と計測値が同じ傾向にあることが確認できました。したがって、トルク値を求めるとスキージヘッドにどの程度の力が掛っているか求められることが判りました。

そこで、スキージ先端形状を変えて実際印刷しながらトルクを計測した結果が次のグラフです。これは、スキージ先端を30°(304)、45(454)°、60°(604)に角度研摩した物と、通常の平スキージ(004)とを比較したものです。研磨角度が浅くなるほど引き摺り抵抗が小さいことが判ります。
 
グラフ2
グラフ2
さて、スキージの引き摺り抵抗が印刷にどのように影響するのでしょうか。スキージが直接接触しているスクリーン版はどのように影響するのでしょうか。
これを確認する手段として「ひずみゲージ」を使用してみました。「ひずみゲージ」とは図1、図2の様な小さなセンサーで、これをスクリーン版に貼り付けることで版の伸びの具合と伸びの方向が判ります。
図1
図1
図2
図2
図3の様に、スクリーン版にひずみゲージを貼り付けて測定した結果がグラフ3です。
スクリーン版の変形は一定ではなく、スキージの位置により変化していることが判ります。
 
図3
図3
グラフ3
グラフ3
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