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スクリーン印刷コラム(6)

~スクリーン印刷とゴムのお話~

スクリーン印刷とゴム?何の関係があるの?こんな質問が出そうなタイトルのお話です。でもとっても関係が深いのです。ゴムはスクリーン印刷にとって重要な役割を持っています。
印刷する時に使用する「スキージ」、これはゴムでできた「へら」です。これでペーストに優しくしかもしっかりと力を加えてペーストをスクリーン版から押し出します。

ところで、ゴムにはいろんな種類があります。ゴムの木から作る天然ゴム、石から作るシリコンゴム、そして石油から作る合成ゴムです。その中でスキージとして最も良く使用されるのが合成ゴムの仲間であるウレタンゴムです。ウレタンゴムの特徴はゴムの中で最も摩耗強度が強いということです。簡単に言うと削れにくいということです。だから、靴底やベルトに良く使用されています。

スキージは印刷する時には常に版と擦れ合っています。その為、摩耗しにくい材料が良いのです。また、ウレタンゴムはペーストに使用される殆どの有機溶剤に耐えることができます。このような理由から、ウレタンゴムはスキージとして最も適した材料です。しかし、万能ではありません。極性溶媒と呼ばれるNMP、DMFと言った溶剤には弱いです。この種類の溶剤に浸漬するとみるみるうちに膨れてしまいます。まるで餅を焼いているかのようです。この極性溶媒を使用してペーストを印刷する時はウレタンゴムが使えないのでEPTという種類のゴムやシリコンゴムをスキージとして使います。でも摩耗強度はウレタンゴムより劣るので寿命は短くなります。

さて、ある日このような質問を受けたことがあります。
「最初は綺麗に印刷できたのに最近上手く行かない。」

さっそくご質問頂いた方を訪問して、印刷している所を拝見しました。すると、使用していたスキージのエッジがボロボロになっていました。「いつ研磨しましたか?」と質問すると「研磨って何ですか?」との答えが返ってきました。

スキージはエッジ部分が均一でないと、版とスキージの接触にバラツキが発生して、版に均一な力を加えることができずに印刷が均一にできません。この方は、スキージを買ってから一回も研磨しなかったので、スキージのエッジがガタガタになり印刷が綺麗にできなかったのです。どうもスキージ研磨のことをご存知なかったようです。そこで、当社の小型スキージ研磨機「SA-1」をご紹介して、現在は毎日綺麗な印刷をされています。

スキージは「スクリーン印刷の顔」、念入りなお手入れが大切です。
ニューロング精密工業株式会社
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