スクリーン印刷コラム(34)

~スキージのアタック角度、どこまで印刷出来るの?~

スクリーン印刷を愛する皆さん! スキージのアタック角度は何度で印刷していますか。スキージのアタック角度とは図1に示す角度です。
一般的には70°くらいが多いと思います。ニューロング精密工業製のスクリーン印刷機ではアタック角度の調整は60°~90°に調整できるようになっています。さて、このアタック角度は印刷にどの様な影響を与えるのでしょうか。アタック角度が小さいとインクが厚くできて、大きいと薄く印刷できるとよく言われます。

ところで、アタック角度を大きくしていくと何度まで印刷出るのでしょうか。アタック角度が90°になると図1からもわかるように、スキージ先端の平らな面が版に当たってしまうことになります。このようになるとスキージと版の摩擦力が急に大きくなってしまいます。実際にこのような状態で印刷すると、スキージヘッドの駆動部が過負荷となり印刷機がエラー信号を出して停止してしまいます。

では何度まで印刷できるか。筆者はゴム硬度90度のスキージを使い、アタック角を60°から88°まで変化させて印刷を行い、印刷されたインクの膜厚を測定して確認しました。硬度を90度としたのはゴムのタワミをできるだけ少なくし、正確なアタック角度を維持させるためです。

図2に実験結果を示しました。アタック角度88°まで印刷出来ました。89°は?。実験で使用した分度器の目盛の都合で89°は正確に測ることができず実験できませんでした。グラフから判断すると印刷はかなり難しそうです。
ところで、アタック角度が60°~85°で印刷膜厚の変化がありません。なぜでしょうか。これを確認するするために60°以下のアタック角度と印刷膜厚の関係を調べてみました。印刷機では60°未満のアタック角度を設定することができないので、スキージ先端に角度を付けて研磨をして60°未満のアタック角度を作り印刷膜厚を調べてみました。

図3を見てください。実はかなり低角度で印刷膜厚の変化がみられます。たしかにアタック角度が小さいと印刷膜厚が厚くなる傾向がみえます。
それでは印刷機のスキージをもっと寝かせればよいと思われるでしょう。しかしこんなことをしたらスキージヘッド押力によってスキージが大きくたわみ、スキージの側面が版に当たってしまいます。こうなってしまうと印刷できません。

印刷中のスキージゴム先端をよく見てください、少したわんでいると思います。このたわみはゴム硬度が小さい程大きくなります。このたわみによってスキージが版と接触している部分の実際のアタック角度は小さくなります。つまり実アタック角度はスキージの硬度と印刷機のアタック角度調整によりコントロールされていると考えられます。

アタック角度に対する考え方を少し変えてみる必要があるかもしれません。
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