スクリーン印刷コラム(53)

~引いてもダメなら押してみな~

ロールtoロール式スクリーン印刷機はフィルムを連続搬送しながら印刷するので生産性の高い装置です。
基板やタッチパネルなどが、この方式の装置で大量に製造されています。
この装置でフィルムを搬送する場合、よくサクションローラが使用されます。
吸着ローラでフィルムをバキューム吸着して送ります。
一般的なフィルムは空気を通さないので、サクションローラ内の空気を抜けば
大気圧でフィルムを吸着固定できます。
しかし、この方法は搬送するフィルムが「空気を通さない」ことが前提です。
「空気を通す」フィルムは搬送出来ません。
それでは、「空気を通す」フィルムを搬送するにはどうすれば良いのでしょうか?
例えば、多孔質な導電性ペーパーであるカーボンペーパー(例えば黒鉛化炭素繊維から成るペーパー)
への印刷など。
ある日のこと、M氏は印刷機の前でこの件で考え込んでいました。
カーボンペーパーをそのままサクションローラに乗せてもエアーが漏れて吸着しなかったのです。
吸引力を強くしてもダメでした。
ところが、たまたま手にもっていたポリエステルフィルムをカーボンペーパーの上に乗せたところ、
カーボンペーパーがしっかりサクションローラに吸着しました。
ポリエステルフィルムとサクションローラの間にカーボンペーパーがサンドイッチされたので、
ポリエスフィルムと一緒にサクションローラに吸着されたのです。
カーボンペーパーはそのままで吸着されませんが、ポリエステルフィルムにより
押される形で吸着されたのです。まさに「引いてもダメなら押してみな」の発想です。
そこで、M氏は下図の様な搬送装置を考えました。
吸着部分にフィルムが当たるようにして、これがカーボンペーパーの流れに同期してフィルムが送られます。
フィルムは輪になっているので繰返し使うことができます。
参考資料 特許第5411602号
 
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