スクリーン印刷コラム(59)

~印刷膜厚の考え方~

今回はスクリーン印刷初心者の方向けのお話です。
スクリーン印刷はシンプルな装置で高精細なパターンを形成できます。
そのため当社には様々な分野のお客様から問合せをいただきますが、
中でも多いのが印刷膜厚の設定条件に関することで、
「厚く印刷するにはどうすれば良いか」とか、
「印刷機の条件を変えて印刷膜厚をどこまでコントロールできるか」といった内容です。
印刷膜厚の設定条件には「スクリーンメッシュ」「紗厚」「乳剤厚」「開孔率」などがありますが、
これらは業界用語のためスクリーン印刷の経験がない方にとってはわかりにくいです。
スクリーン印刷をよく知っている方にとって当たり前のことがそれ以外の方にとってはそうではない。
これらが上手く説明できないと、かえってスクリーン印刷が難しいものに感じられてしまいます。
そこで、身近な「お米」と「ご飯」を使ってスクリーン印刷の印刷膜厚の条件について、
簡単に説明できないか考えてみました。
(当社の工場は新潟県南魚沼市にあり、南魚沼産コシヒカリは代表的な特産物です)

スクリーン版の仕様と印刷膜厚の関係を「お米」で説明すると・・・
スクリーン版の仕様は印刷されたパターンの膜厚に影響します。
スクリーン版の仕様として「メッシュ数」「線形」「厚み」「開孔率」がありますが、
これをお米と計量カップで例えてみます。
たくさんご飯を炊く場合は、多くのお米が必要ですので大きな計量カップでお米を量ります。
また、少量のご飯を炊く時は小さい計量カップで十分です。
スクリーン印刷で印刷膜厚を厚くするということはインキをたくさん塗布するということなので、
先ほどの例のように大きな計量カップが必要ということになります。
計量カップに相当するのがスクリーン版なのですが、
スクリーン版は写真1のようになっていて「紗」と呼ばれる網で構成されています。
この網目の穴を「開孔」といい、開孔をインキが通過して転写されます。
開孔が写真2の計量カップでいう口の部分になり、これが広いほどインキが通過しやすくなります。
スクリーン版の厚みとなる「紗厚」の部分は計量カップの高さに相当し、
これが高いほどインキの転写量が多くなり、その結果として印刷膜厚が厚くなります。
 印刷膜厚をコントロールするにはスクリーン版の仕様を検討することが大切です。
インキ粘度と印刷膜厚の関係をお米とご飯で説明すると・・・
インキの粘度も印刷膜厚に影響しますが、これをお米で例えてみます。
お米を入れた計量カップを逆さにしてカップを持ち上げると、
写真6のようにお米が横に広がるのがわかります。
このお米の広がりがスクリーン印刷におけるニジミとなり、印刷膜圧は薄くなります。
同じ要領で炊いたお米(ご飯)を入れてカップを外してみると写真7のようになり、
ご飯は粘り気があるのでカップの形とほぼ同じ形状の塊ができました。
ご飯は広がりが殆どないので、スクリーン印刷では印刷後のインキの広がり(ニジミ)は少なく、
印刷膜厚が厚くなることになります。
これがスクリーン印刷におけるインキ粘度の差となり、印刷膜厚が変わってきます。
今回は身近なお米とご飯を例に、スクリーン印刷の印刷膜厚についてお話ししました。
少しはわかりやすい説明になりましたでしょうか。
ニューロング精密工業株式会社
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