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スクリーン印刷コラム(63)

~印圧測定の歴史~

印圧をどのように測定するか。当社は20年以上前から、いろんな測定装置を開発、販売してきました。
今回は当社の印圧測定の歴史です。

スクリーン印刷での印圧は「スキージ押込み量」又は「エアリンダへの供給エア圧」で表します。しかし、これは設定値であって、実際スキージの先端でどのような力がスクリーン版に与えられたかはわかりません。 
「スキージ先端部の応力を測定してみたい」
これを実現させるために、当社は今から20年も前から取り組んできました。

そして1995年に開発、発売したのが第一世代印圧測定器「スキージバランサー」です。
印圧により抵抗値が変化する抵抗体方式のセンサーを使用して、印圧の変化をアナログのLEDレベルメータで表示させました。
この測定器は業界で初めて、印圧分布を目視で確認出来る物でしたが、これは全てアナログ回路で設計されていたために、データを記録する事は出来ませんでした。しかし操作が簡単だったために、作業現場でのスキージバランスの確認用として好評でした。
 
パソコンが普及して来ると、データを保存したいという要求が多くなってきました。
しかし、当時のパソコンは大きく、重く、そして高価であったために、製造現場では使い難いものでした。そこで「スキージバランサー」発売の翌年(1996年)、この頃普及してきたパームトップコンピュータを応用した第二世代の測定器「スキージスキャンSS-01」を開発、発売しました。
当時のパームトップコンピュータは現在のコンピュータと比べれば能力ははるかに低いものでしたが、印圧測定のデータが初めて保存できて、データを小型のプリンタに印刷する事が可能になりました。
ところが、この当時のパソコンはまだ発展途中のため、いろいろなOSが出て、また消えて行く時代でした。これに「スキージスキャン」も大きく影響を受けました。OSが変わる毎に「スキージスキャン」もSS-01、SS-02、SS-03、SS-04と、矢継ぎ早にモデルチェンジして行きました。OSが異なってしまったために各機種の互換性がありませんでした。

この様な状況の中、アナログ回路の部品が生産終了となって「スキージバランサー」の製造が困難になり、「スキージバランサー」はついに製造中止となりました。しかし「スキージスキャン」シリーズに比べてモデルチェンジしなかった分、最も長く生産されたモデルとなりました。
パームトップコンピュータもWindows OSのコンピュータの普及により、徐々に姿を消して行きました。当時(2005年)はまだスマートフォンは世の中に無い時代。小型のパソコンはWindows OSのパソコンしか無く、第二世代の測定器も販売が出来なくなりました。
 
Windows全盛期、いろいろなサイズのパソコンが発売されました。パソコンも小型化が進みました。
そこで、2006年にWindows OS(当時はXP)を採用した、第三世代の測定器「SBテスター」と「SBメジャー」を開発、発売しました。この第三世代では測定データをパソコンに自動時に取り込む事が可能となり、測定機能の性能が飛躍的に向上しました。また、市販のWindowsパソコンを使用する事で使い勝手も向上しました。
ところが、パソコンの進化は凄まじい勢いで進みます。OSもWindows XP、Windows 7、Windows 8、Windows 10とバージョンアップしていきます。そして遂に測定器に搭載しているドライバがOS(Windows 8以上)に対応出来なくなってしまいました。
残念ながら第三世代も2016年に販売が出来なくなってしまいました。
 
■ 印圧測定器は第四世代へ
そしていよいよ印圧測定器は第四世代に入ります。
第四世代ではさらに使い勝手の良い測定器に仕上げます。その一つが無線化です。今までの測定器ではセンサー部と本体がケーブルで接続されていました。第二世代以降はパソコンに繋げる必要があり測定器全体としてかなりかさばってしまいました。また、パソコンを印刷機の近くに置く必要がありました。
それが無線化によりパソコンを印刷機より10m程度離しても測定する事が可能となります。また、スキージバランス調整機能を第三世代より使い易くしました。
さらには、開発コストを徹底的に削減して、現行品より安価な価格にする予定です。
第四世代の測定器は「SBセンサー」として、2017年春の発売予定です。ご期待ください。
ニューロング精密工業株式会社
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