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スクリーン印刷への扉

~国産スクリーン印刷機誕生秘話~

<昭和55年6月16日月曜日 日本工業新聞>

電子を刷る⑩ ニューロング精密工業

業界シェアの五〇%を占めて、安定した足どりで伸びていくニューロング精密。電子工業の影武者の地位も確かなものになった。

「将来、チャンスがあったら、もう一つ工場を持ちたい」

社長の井上は、新しい夢を育てている。

すでに見てきたように、市場には明るい材料がたくさんある。もう一つつけ加えれば、パイオニアのニューロング精密がこの分野を拓いて七年、そろそろ買いかえ需要も見込まれる。

海外市場にも明るい展望がのぞいている。現在、輸出のウエートは全体の一五%だが、井上は、これをコンスタントに二〇%にしていこうと狙っている。

いまのところ香港、台湾、韓国、シンガポールと東南アジアの市場が中心だが、香港では、電子工業の九〇%を支配している。台湾などでは、日本の企業が進出と一緒に持ち込むケースも目立つ。アメリカ市場でも十分に対応できる力ができた、と井上は胸を張る。アメリカはことスクリーン印刷技術では先進国だが、この十五年で、日本は独自の技術世界を確立しているというのである。

「価格的にもアメリカ勢の二分の一ぐらいでしょうか。進出するとすれば現地主義ということになるでしょうが、サービス面でも十分いけるでしょう。アメリカ人で売りたいという人がいて二台展示会に出したのですが、うち一台がすぐに売れました。出足としてはいい動きをしていますね」(井上)

もう一つ、中国へのアプローチも活発化している。文革時代からコンタクトが始まり、展示会への出展から、プリント配線技術の交流へと進展している。すでに常務の小山は二度にわたって中国を訪れており、中国の技術者教育に手を貸している。この先、日本の電子工業の対中国技術援助交流が活発になれば、必然的にニューロング精密のマシンがついていくということにもなる。香港ルートの開発も含めて中国市場は、巨大な沃野として井上の前に広がっているといえよう。こうした将来を見すえながらも井上はいっそう背を低くして足元を見つめる姿勢を崩していない。

昭和55年6月16日月曜日 日本工業新聞

〝よく働き、よく遊ぶ〟という信条そのままに体制的には、相変わらずの少数精鋭路線を依然として守り通す覚悟だ。現在でも、四カ月先の受注残を残して順調に経営がまわっている。体格強化のチャンス、条件は揃っているのだが、冷静に体力を測ってスロー・アンド・シュアの路線を追い続ける。人材強化の面でも、ようやく計画的な新規採用に踏み切るなど新しい動きを見せはじめている。

そして他方では、業界の発展にも心を配って見せる。いまやトップ・メーカーの位置にあるが、お互いがそれぞれの分野を守って共存共栄路線でいくのだと井上はいう。それが世界の基本的な構成の原点だという認識が前提になってのことである。

社内に向かっても、この基本認識と姿勢は変わらない。組織的体質を強めていくにしても、基本的には社員が一丸となって盛り上げてきた会社である。良い意味での町工場的思考、体質は持ちつづけたいという。

利益配分の考え方もより追求していく。そうしたなかでお互いに技術の向上に努め、各自の自覚のもとに働きがい、生きがいのある職場を作っていこうという考えである。だから高齢者対策といった問題もいっさいない。一応五十五年の定年制はあるが、井上は「働ける間は一緒にやろうじゃないか」と社員に呼びかける。そして「たいていが永年勤続者ですよ」と笑う。

「世の中、真剣勝負です。いいかげんは絶対に許されません。しかし人を泣かせてまで商売はしたくありませんからね」

「要するに誠心誠意ですよ」

井上は、最後にきっぱりといった。

(敬称略)
<文・道田 国雄>


昭和55年6月3日~16日まで、2週間にわたって日本工業新聞(現:FujiSankei Business i.)に掲載された記事を、許可を得て転載しています。


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