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スクリーン印刷コラム

スクリーン印刷コラム

スクリーン印刷コラム(55)

~スクリーン版の掃除方法~


 印刷が終わってスクリーン版を洗浄するとき、どの様にすると良いでしょうか。
洗浄溶剤をウエスにつけて、版に付着しているインクをふき取りますが、
ふき取ったつもりでもメッシュの中にインクが残ってしまう事を経験した事はありませんか。

 メッシュのが目詰まりしてしまうと、印刷がかすれて不良となってしまいます。
一度目詰まりした版は、その後どんなに一生懸命洗浄しても元に戻る事はなく、作り直しとなります。
最初の印刷で版がこの様になると、担当者はかなりショックを受けてしまいます。
では、どうして版の洗浄を失敗してしまうのでしょうか。

 これは、インクに含まれる溶剤と洗浄溶剤の関係にあります。
インクにはバインダーとしての樹脂と溶剤が含まれていて、
その溶剤はバインダー樹脂を溶かし易い物を使用しています。

 一方、洗浄用溶剤は必ずしもバインダー樹脂を良く溶かすとは限りません。
また、作業性など考慮して乾燥が早い溶剤が多いです。

 洗浄溶剤が使用しているインクのバインダー樹脂をうまく溶かしてくれればなんの問題もないのですが、
そうでない場合はインクの溶剤のみを抱き込んで蒸発する事があります。
こうなるとバインダー樹脂だけがメッシュに残り、もう除去する事はできなくなってしまいます。
固まってしまったバインダー樹脂はそう簡単には溶かす事ができません。

 筆者もこの様な失敗を多く経験しました。
高価なステンレスメッシュ版の洗浄で失敗し、痛い目にあった事もあります。
この時の経験が基になって、いろいろと洗浄方法を検討してきました。

 スクリーン版洗浄のポイントをお話ししましょう。

 まずインクを洗い流します。
沸点の高い(乾きにくい)溶剤で、版のメッシュに残ったインクを洗い流します。
この時のポイントはインクを乾かない様にする事。
シンナー系洗浄溶剤を使うとすぐ乾いてしまい、同時にインクも乾いてしまいます。
乾きにくい溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)等があります。
沸点が146℃のグリコールエーテル系の溶剤です。
これで版を洗浄すると、残ったインクがこの溶剤と共に洗い流されます。

 速乾性の溶剤で仕上げ拭きします。
PGMAC等で洗浄すると、スクリーン版に残った溶剤がなかなか乾きません。
そこで、速乾性の洗浄溶剤で仕上げ拭きをします。
洗浄溶剤はスクリーン印刷用として市販されている物を使います。
これで仕上げ拭きをするとPGMAC等の乾きにくい溶剤を抱き込んで蒸発してくれるので、
版の乾きが早くなります。

 この様な手順で版の洗浄を行うと結構きれいに洗浄できますので、ぜひ一度お試しください。


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